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2分の1成人式の発祥はどこ?いつから始まった?目的や意義は?

   

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最近よく聞く「2分の1成人式」ってご存知ですか?

 

20年以上前にひとりの学校教諭が提案したこの行事は、今全国の小学校に急速に広まりつつあります。

お子さんやお孫さんがいらっしゃる方は、実際に参加したことがあるかもしれませんね。

 

親が子どもの成長を実感できる2分の1成人式ですが、それ以外にはどんな意味を持っているのでしょう?全国的なものとなりつつある2分の1成人式について、今回はお話したいと思います。

2分の1成人式の発祥はどこ?いつから始まったの?

2分の1成人式を最初に考案したのは、兵庫県の小学校で担任をもっていた佐藤修一教諭だと言われています。

 

10歳という年齢は成人である20歳までの折り返し地点であると同時に、今までお兄さんお姉さんとしてあおいでいた「高学年」の入り口に足を踏み入れる年齢。

小学生としての大きな節目に、親子ともに成長を意識できる背筋の伸びるようなイベントを、という考えのもとで提案されたようです。

 

1980年代に佐藤教諭によって始められたこの行事は少しずつ広まってゆき、2000年代に入り学校教育の多様化が見られるようになると、2分の1成人式を開催する小学校はより増えていきました。

開催月は実際の成人式を意識した1月や2月が多いようですが、これは学校によってまちまちです。

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2分の1成人式ってなんの目的や意義がある?

文部科学省が定めるところの「学習指導要綱」の中には、かならず2分の1成人式を行うようにとは書かれていません。ですので、2分の1成人式はその学校の校長先生やクラス担任の教諭の裁量によってのみ、行われます。

どの小学校にもかならずあるわけではないので、注意しておきたいですね。

 

2分の1成人式の目的として、愛知県で発足した「親と子の2分の1成人式」研究会が「子どもの成長を実感する」「_保護者が子どもについて学ぶ」「地域ぐるみでの行事参画」の三つを挙げています。

小学校という地域に根ざした場所で、保護者のみならず地域ぐるみで子どもの成長を見守り、子どもに対する理解をより深めるという意義を持っているのですね。

 

また、子どもは10歳前後を境に身体的、精神的な成長が訪れ、1歩ずつ大人になってゆきます。「10歳の壁」や「小4の壁」とも呼ばれ、今まで100パーセントの子どもであった自分が、1パーセントずつ大人になっていくことへの戸惑いや反抗も含まれるそうです。

また、10歳前後の子どもにはギャングエイジと呼ばれる精神的変化も見られます。家族よりも友達を大切にし、特定の仲間でつるんで遊び始めることで家族や教諭から精神的に独立しようとする変化が、ギャングエイジ。

自分だけのコミュニティーに所属しようとする時期でもあります。そういった時期に「大人になり始めたんだ」ということを意識させ、自分のこれまでの歩みから将来を展望する力を養う助けになるという専門家の意見もあるようです。

 

2分の1成人式では子どもが「将来の夢」を語ったり、家族への感謝のメッセージを贈ったりするのが主流なよう。小学校やクラスによっては、小さい頃の写真を持ち寄ったりタイムカプセルを作ったりと、活動内容もさまざまです。

もしお子さんの小学校で2分の1成人式があれば、どんなプログラムになるのか楽しみにしておきましょう。

ちょっと考えたい、2分の1成人式のつらいこと

親子がともに成長を実感できる2分の1成人式。ですが、一部の専門家はこの行事内容に警鐘を鳴らしています。

 

現在では家族の形態も多様化し「父、母、子ども」という通りいっぺんの家族構成だけでなく、シングルで頑張る保護者や養子縁組などによって構成された血の繋がっていない親子なども増えています。

また、悲しい事故により家族と死別してしまった子どもや、本来守ってもらうべき家族から虐待を受け、心に傷を負った子どもも小学校には通っています。

 

そんなさまざまなケースにおかれた子どもたちの中には、2分の1成人式を「いやだな」と思う子どももいるのだそう。

「血の繋がった両親と子どもが1つの家で仲良く暮らす家庭」ばかりを念頭を置いた2分の1成人式のプログラムでは、事情を抱える家庭の子どもたちが疎外感を感じたり、学校を逃げ場としていた子どもたちの精神的な拠り所を完全に奪うことになりかねない、との指摘がされています。

 

特殊なケースだと思われがちですが、各種メディアの報道にもみられるように、事情を抱えた家庭環境におかれた子どもというのは少なくありません。「子どもの成長を実感できて幸せ」という声と同時に「事情を抱えた家庭の子どもが感じる疎外感や悲しさに向き合えるのか」という声もあるようです。

さまざまな家庭環境にある子どもたちをどのように応援すれば、成長を助けてあげられるのか。それをわたしたち大人が考え、ときには家庭や学校が行政や専門機関と連携しあって解決していくことが何よりも重要なのではないでしょうか。

 

2分の1成人式のプログラムにも、さまざまな家庭環境の子どもたちがみんな笑顔になれるようなものが考案されればいいですね。

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まとめ

2分の1成人式は保護者にとってとても嬉しいイベントであり、心身ともに成長していく子どもたちが「大人になる」ことを意識する手助けにもなります。

 

しかし家庭環境の多様化により、2分の1成人式に関して複雑な思いを持っている子どもや保護者がいることもまた、事実です。学校やクラスによって子どもたちの顔ぶれや背景はまったく違います。

クラスや学校が思いやりを持って、子どもたちが笑顔で楽しく過ごせる2分の1成人式が行われるよう、保護者の方ひとりひとりが考えていく時期なのかもしれませんね。



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